自由診療の価格に差があるのはなぜ?

保険診療はどこの歯科医院でもほぼ同じ価格であるのに対し、保険がきかない自由診療は、同じ治療であっても医院によって価格の設定にかなりの差があります。これは一体、なぜなのでしょうか?

自由診療の内容や設定は医院により様々

保険診療の場合には、使う素材や治療法が国によって定められていますので、どこの医院で治療を行っても、内容にそれほど大きな差は生まれません。

しかし、自由診療はその名の通り、治療をする歯科医師自身で、自由に素材や方法を選択することができるのです。

一口に「インプラント」と言っても、取り扱うメーカーによってインプラント自体の価格・素材・ネジの形式などすべてが異なります。また、手術の方法、事前の検査、治療時の設備、アフターケアの方法などは、各歯科医院、歯科医師によって、内容に大きな差が生まれやすくなります。

高い素材を使い、綿密な検査や高い水準の設備で手術を行えば、必然的に価格設定も高くなることになります。

また、自由診療では、どの程度の利益を価格にのせるかは、歯科医師自身の判断になりますので、同じ素材で同水準の治療であったとしても、価格に違いが出てきます。ただ、利幅には「常識の範囲」がありますので、飛びぬけて高額な設定に普通はなりません。

しかし、激しい価格差がある場合は、治療内容に何らかの違いがある可能性が高いと言えます。

治療内容に含まれる範囲やオプションの違い

ホワイトニングを例に出してみますと、まず、使用する薬剤の違いによって価格差が生まれます。その他に、ホワイトニングをする対象の歯を増やしたり、コーティングや研磨などのオプションメニューが医院によって異なります。

自宅で行うホームホワイトニングの場合は、基本的に自分の歯に合わせたトレーと薬剤がセットになっていますが、すべての歯が対象になっていたり、片あごだけだったり、前歯8本だけだったりなど、各医院によって違ってきます。

また、事前に行うクリーニングがホワイトニングの治療費に含まれる医院と別料金の医院、セットされている薬剤の本数、アフターケアのオプションが別料金かどうかなど、様々な要素が価格の差として表れるので、単純に数字だけの比較はできないということになります。

最後の決め手は信頼感

治療内容に大きな差がでやすい自由診療だからこそ、単純に価格の安い・高いだけで選ぶのは危険です。高額な治療には、高いなりの理由、品質や技術へのこだわりも視野に入れ、十分に納得のいく説明を受けてから決断をしましょう。

多くの歯科医院では、自由診療のカウンセリングにはしっかり時間を設けていますので、価格も含め、疑問や不安なことは遠慮せずに質問をしてみてください。

素材や技術のことは、ネットで調べることはできても、真の部分に関しては、患者さんは素人なのでわかりません。治療後のメンテナンスなども含めて考えると、価格や内容以上に決め手となるのは、自分がその医院や医師を信頼できるかどうかだと思います。

保険診療も自由診療もそれぞれメリット・デメリットがあります。どちらの治療を選択すれば「正解」というものでもありません。しっかり医師と話し合い、自分が納得した上で治療内容を選択し、後悔しない治療を行ってください。